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加飾技術の基礎知識・技術コラム

イオンプレーティングの特徴と製品事例

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イオンプレーティングは、NASAが1950年代に宇宙開発の進展のため開発した技術です。この技術により、切削工具や金型の耐久性が大きく上がり、瞬く間に世界中で採用される技術になりました。今回は、そのイオンプレーティングの特徴と実際の製品事例を紹介いたします。

イオンプレーティングの原理

イオンプレーティングの原理は下記の通りです。

①蒸着金属と被処理物を入れた容器を高真空(10-3 Pa~10-5 Pa)にした後、不活性ガス(アルゴン)や反応性ガス(窒素、炭化水素等)を注入し、蒸着金属と被処理物との間に高電圧を印加してプラズマを発生させます。高真空にする事で個体の蒸発温度は下がり蒸発しやすく、高真空・高温になる事で電子の運動が活発化されます。

②加熱蒸発した金属粒子は、正の電圧を付加することにより、プラズマ中で電子と金属とが衝突し、金属粒子がプラスのイオンとなり、被処理物に向かって進みます。その途中で金属粒子と反応性ガスとが結びつくことで化学反応が促進されます。

例えば、蒸発金属がチタン(Ti)、反応性ガスが窒素の場合は、窒化チタン(TiN)の化合物ができます。

③プラスイオン化した蒸発粒子は、マイナスの処理物に向かって加速され、高エネルギーで衝突し、金属化合物として被処理物表面に堆積します。

イオンプレーティングの特徴

イオンプレーティングには主に下記のような特徴があります。

①加工温度が50℃と低温のため、素材の寸法・材質に悪影響を与えない。

②めっきの前処理として、Arイオンなどによる素地のスパッターが行えるため、不純物(基盤表面に存在する吸着ガス、油脂、酸化物等)除去ができる。

③蒸発金属がイオン化され、電気で加速されて皮膜を形成するので、密着性が非常に良い。

④反応性ガスの導入で、炭化物・窒化物などが成膜されるため、超硬質の皮膜をつくることができ、切削工具や金型の寿命が向上する。また、耐摩耗性・耐熱性・摺動性も付与できるため、自動車部品のコーティングとしても優れている。

⑤チタン皮膜の場合、電気めっきを施すよりも耐食性・耐摩耗性に優れるので、眼鏡のフレームや指輪、ネックレス等への装飾分野に採用されている。

当社のイオンプレーティングにおける特長

当社では、特に住宅設備業界へのイオンプレーティングの実績が多数ございます。イオンプレーティングは、密着性が非常によく、耐食性・耐摩耗性も優れていることから、キッチンや洗面台などの蛇口部分への採用実績が多く、対象品の長寿命化を実現しています。

また、イオンプレーティングは耐熱性・摺動性を付加することもできるため、切削工具や自動車部品など、様々な部品へのコーティングとしても採用されています。

その他、様々な業界のイオンプレーティングの実績が多数存在しますので、お気軽にお問合せ下さい。

イオンプレーティングの製品事例

ホースフック

ホースフック

こちらは、浴室内シャワーホース用フックの加飾事例です。

浴室内で使用される製品部品のため、特に部品のバリ、エッジ等は厳禁となります。

そのため、生地品へのエッジ処理として、バフ掛けを行い、イオンプレーティングを行うことで、鋭利な状態とならないようにしています。

>>詳しくはこちら

イオンプレーティングのことなら、加飾技術ナビにお任せください!

今回はイオンプレーティングについてご紹介いたしました。イオンプレーティングは、従来の湿式メッキと比較して密着性や摩耗耐久性に優れている技術です。

加飾技術ナビでは、イオンプレーティングに関して、試作から量産までワンストップ対応が可能です。また、イオンプレーティング以外にも、様々な加飾工法の実績がございます。

イオンプレーティングをはじめ、加飾に関してお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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