TOM成形は、製品の意匠性や機能性を高めることができる工法で、自動車の内装部品などに採用されています。環境性にも優れています。
こちらでは、そうした特徴をもつTOM成形の概要と実際の製品事例をご紹介いたします。
TOM成形(トム成形)とは
TOM(Three dimension Overlay Method)成形とは、3次元加飾工法の1種で、木目や石目、カーボン調の特殊なフィルムを3次元の形状に貼り合わせることで、塗装では不可能な柄の加飾を実現できる加飾工法です。また、機能性フィルムを使用することで、製品の意匠性向上だけではなく、封止や防水、防汚などの機能性を付与することもできます。
他にも、
・様々な樹脂や金属に対しての加飾が可能
・試作用の簡易治具を製作することで、試作の費用を抑えることが可能
・フィルムのエンボス再現により、よりリアルな手触り感を再現可能
・使用するフィルムによっては、製品に高付加価値を付与するだけでなく、光沢・表面硬度・防水・防汚などの機能性を付与する事ができ、製品の改質や機能向上を達成する事も可能
といった特長がございます。
自動車や航空機の内外装、介護関係、電子材料、住宅設備などさまざまな分野に採用されています。
TOM成形(トム成形)の用途
TOM成形は、自動車や鉄道、航空機、建材の内装・外装部品によく採用されています。他にも、介護・医療分野や電子部品、電化製品にも採用され始めており、様々な業界でTOM成形が注目されています。
TOM成形(トム成形)の工程
1:基材・フィルムをセット
下チャンバーBOX内のテーブルに基材をセットし、フィルムを下チャンバーBOXの上面にセットします。この時、上・下チャンバーBOX内は大気圧状態です。
2:上チャンバーBOX降下
上チャンバーBOXを降下させ、上・下チャンバーBOXでフィルムを挟み込み、上・下チャンバーBOX内を気密状態にします。この時もまだ、上・下チャンバーBOX内は大気圧状態です。
3:上・下チャンバーBOX内真空・加熱
上・下チャンバーBOX内を真空状態にします。真空状態にした後、チャンバーBOX内のヒータを点灯し、フィルムを加熱します。フィルムを加熱すると軟化して自重で垂れ下がるため、上・下のチャンバーBOX内の真空度を調整し、水平状態にします。
4:基材突き上げ
下チャンバーBOX内のテーブルを上昇させて基材を突き上げ、軟化したフィルムに押し当てて密着させます。この時、上・下チャンバーBOX内はともに真空状態です。
5:大気圧加圧
上チャンバーBOX内のみを大気圧状態にし、下チャンバーBOXとの気圧差でフィルムを基材に覆い被せて密着させます。
6:圧空加圧
上チャンバーBOX内に圧縮空気を入れることで、さらに大きな力でフィルムを基材に密着させることができます。
7:製品取り出し
下チャンバーBOX内を大気圧状態に戻し、上チャンバーBOXを上昇させ、製品を取り出します。
8:完成
取り外した製品から余分なフィルムをトリミングします。
TOM成形(トム成形)と真空成形との違い
TOM成形は、真空成形と比較されることがあります。
TOM成形は、フィルムを加熱し軟化させ下チャンバーBOXを真空状態にした上で、上チャンバーBOXを加圧し、型もしくは母材を突き上げます。上下チャンバーの圧力差を利用し、型もしくは基材の形状に合わせてフィルムを成形します。
一方、真空成形は、TOM成形と同じく加熱によってフィルムを軟化させた後下チャンバーBOXを真空状態にしますが、上チャンバーの加圧は無く、大気圧のみを利用した工法です。
TOM成形は、下チャンバーBOXの真空状態と上チャンバーBOXの加圧まで利用しているため、真空成形と比較してより凹凸のある形状の製品をつくることが可能です。
TOM成形(トム成形)の製品事例
車載内装部品
これらは、車載内装部品です。ABS樹脂にTOM成形を行うことで、木目調の質感を表現しています。
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今回は、TOM成形についてご紹介いたしました。
TOM成形は、フィルムを貼り合わせ意匠性や、機能性を高めることができる成形法です。また、塗装を行わないので環境にも優しいです。
当社では、TOM成形に関して、試作から量産までワンストップ対応が可能です。また、TOM成形以外にも、様々な加飾工法の実績がございます。
TOM成形をはじめ、加飾に関してお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!