加飾技術ナビを運営するアトライズヨドガワでは、様々な樹脂への加飾実績があります。その中でこちらの記事では、ABS樹脂への蒸着について、特徴と実際の製品事例をご紹介いたします。
ABS樹脂とは
ABS樹脂とは、アクリルニトリル、ブタジエン、スチレンの略称で3つの単量体で構成される熱可塑性樹脂です。
耐久性や強度、衝撃吸収性に優れており、塗装せずとも見た目もきれいです。また、加工がしやすく、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、パソコン、プリンター等の筐体やハウジングの部分など、様々なところで使用されている汎用樹脂です。
樹脂(プラスチック)蒸着について
樹脂蒸着は、製品の表面に薄い膜を付着させる成膜技術で表面加工処理の一つです。
樹脂製品に蒸着を施すことにより、強度を高めることができるほか、装飾性や光の吸収、反射、透過などの光学特性や、撥水、親水性、抗菌、防カビ等の機能性などを付与することができます。
蒸着には「物理蒸着」と「化学蒸着」の2種類があります。
物理蒸着は、個体材料を熱やプラズマエネルギーを用いて気化させ製品の表面に付着させて薄膜を形成します。
化学蒸着は、薄膜となる原料を含むガスを熱や、光、プラズマ等のエネルギーによって励起・分解し、化学反応を起こして表面に物質を吸着させ薄膜を形成する方法です。プラズマCVDとも呼ばれ、半導体の製造で多く利用されている技術です。
ABS樹脂への蒸着事例
車載用のメーターリング
こちらは、車載用のメーターリングにシルバー蒸着とつや消し塗装を行った事例です。
メーターのディスプレイに反射映り込みがあり、その反射を消すと同時に、外観部であるリング部分には黄色味のある金属調にしたい、というご要望をいただいておりました。
当初、側面つや消しと天面シルバー蒸着の2部品をASSYする形で検討しておりましたが、外観部品のためより見栄えを意識したい上にメーター構造上成立しないこともあり、1部品でつや消し塗装とシルバー蒸着を行うっています。
ABS樹脂への蒸着のことなら、加飾技術ナビにお任せください!
今回は、ABS樹脂への蒸着についてご紹介いたしました。
当社では、ABS樹脂への蒸着に関して、試作から量産までワンストップ対応が可能です。また、ABS樹脂以外への材質、蒸着以外の加飾工法など、様々な樹脂への加飾実績がございます。
ABS樹脂への蒸着をはじめ、加飾に関してお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!