加飾技術ナビを運営するアトライズヨドガワでは、様々な樹脂への加飾実績があります。その中でこちらの記事では、PET(ポリエチレンテレフタレート)へのめっきについて、特徴と実際の製品事例をご紹介いたします。
PET(ポリエチレンテレフタレート)とは
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、ペットボトルやポリエステル(PE)として非常に多く使用されているエンジニアリングプラスチックです。工業用途ではフィルムや磁気テープ、電子機器部品などに使用されています。
耐熱性、耐寒性、耐薬品性、電気絶縁性など、優れた性質を多くもっている一方で、耐衝撃性では劣るため、工業用途で使用される場合にはガラス繊維を混ぜて強化した、繊維強化プラスチックとして使用されます。また、基本的には耐熱性の高い素材ですが、ペットボトルとして使用される場合には50℃程度で変形してしまうため注意が必要です。
樹脂(プラスチック)めっきについて
樹脂へのめっきは、非導体である樹脂成形品に特殊な表面処理加工を施して導体化し、電気めっきにより本物の金属を樹脂成形品上へ被覆する技術です。
日常でも見られるめっき色のニッケルクロムめっきや、色合いはステンレスによく似たシルバー色で、複雑な形状でも均一にめっきができるスズとコバルトの合金めっきなど、さまざまな処理が可能です。
樹脂にめっきを行うことで、外観は金属製品でありながら、軽量化やコストダウンを実現することができます。また、高い装飾性やデザイン性を得ることができ、樹脂そのままの状態と比較すると耐熱性や耐摩耗性なども向上します。
非導体である樹脂成形品を導体化するためには以下の工程が必要になります。
1:エッチング処理
エッチング処理は表面処理の一種で、薬液の腐食作用を利用し、素材表面を粗化して次工程の表面処理を付きやすくしたり、いらない部分を排除したりするための方法として用いられます。
樹脂に電気めっきを施すためには無電解ニッケルめっきや無電解銅めっきといった下地をまずつける必要があるため、この処理では無電解めっきの核となる触媒を樹脂成型品に埋め込むための穴を開ける処理を行います。
2:キャタリスト処理
キャタリストとは触媒のことを指します。触媒とは化学反応を促進させる化学物質のことで、この触媒を樹脂成型品に埋め込み、無電解めっきを施します。こうして触媒を母材に埋め込む作業をキャタリスト処理といいます。
3:無電解めっき
電気を使わないため、導電性の低い、もしくはない物質に対してめっきを施すことができます。析出されためっき層であるニッケルや銅は導電性が高い金属なので、その上からであれば、樹脂成型品に導電性の高い金属製品のように電気めっきができます。
4:電気めっき
最後は電気めっきの工程です。通常の電気めっきと同様にめっき処理を行います。
PET(ポリエチレンテレフタレート)へのめっき事例
車載センターコンソールダイヤル
こちらは、車載センターコンソールダイヤルを、2色成形+マット調メッキ加工+耐久性を上げるホットスタンプ加工で加飾した事例です。
透明部はメッキ無し、乳白色部はメッキありとし、色彩(見切り)をキッチリと表現しています。本事例は、PC(ポリカーボネート)へのめっきですが、PET(ポリエチレンテレフタレート)への対応も可能です。
PET(ポリエチレンテレフタレート)へのめっきのことなら、加飾技術ナビにお任せください!
今回は、PET(ポリエチレンテレフタレート)へのめっきについてご紹介いたしました。
当社では、PETへのめっきに関して、試作から量産までワンストップ対応が可能です。また、PET以外への材質、めっき以外の加飾工法など、様々な樹脂への加飾実績がございます。
PET(ポリエチレンテレフタレート)へのめっきをはじめ、加飾に関してお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!