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インモールド成形の特徴と製品事例

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インモールド成形は 20 年以上前に化粧品への加飾の技術として使用され、

その後、家電や通信、雑貨等、多種に渡る成形方法になりました。

そんな、インモールド成形を今回解説いたします。

目次

インモールド成形とは?

インモールド成形の特徴

インモールド成形の流れ

インモールド成形とフィルムインサート成形との違い

加飾技術ナビのインモールド成形/フィルムインサート成形事例をご紹介!

インモールド成形のことなら加飾技術ナビにお任せください!

インモールド成形とは?

インモールド成形とは、事前に意匠(デザインや柄)が印刷されたフィルム箔を用意し、

射出成形の金型内に挟み込んで樹脂を流し込み、熱と圧力によって製品表面にフィルム箔のみを転写する成形法です。

また、成形と同時に加飾ができるため、二次加工で加飾をする必要性が無くなり工程削減に伴うコストダウンが可能な工法になります。

インモールド成形の特徴

インモールド成形の特徴を下記に記載いたします。

・塗装などの二次加工加飾が不要になるため、工程を削減できリードタイムとコストの削減が出来る

・フィルムの箔を転写する為、多色な加飾を1工程で生産出来る

・複雑な立体形状や多色化や複数の柄にも対応できる為、デザイン自由度の幅が広がる

・めっき調や表面テクスチャーなど幅広いバリエーションに対応が可能

・成形と同時にハードコート等の機能性を付与することが可能

・めっきや塗装が不要なため、有機溶剤の使用が低減できる為、SDGsにも貢献可能(VOC削減)

・製品の表と裏、どちらの面にも転写が可能

・意匠性が高い成形品を量産可能

・成形品の両面に転写可能

・表面に多色刷りをする際に射出成形と同時に加飾することが可能

インモールド成形の流れ

先ほどは、インモールド成形の特徴について紹介いたしました。

インモールド成形は、4つの工程を経て成形品を製作します。

1.フィルムを金型内へ供給

  → フィルム箔をフィルム送り装置を使って金型内へ自動で供給します。

2.フィルムの固定

  → フィルムを指定の位置で固定し吸引し、金型キャビティへ密着させます。

3.射出成形

  → 金型を閉じフィルムを挟み込んだ状態で樹脂を射出します。

4.製品取り出し

  → 金型を開いたタイミングでフィルム箔の箔が製品表面に転写された製品が

フィルムから離れ、金型内から製品を取り出します。

以降、1〜4を繰り返すことで量産成形する。

インモールド成形とフィルムインサート成形との違い

インモールド成形とフィルムインサート成形は、用途によって使い分ける成形法になります。

それでは、インモールド成形とフィルムインサート成形の違いを紹介いたします。

立体形状品(3D形状品)への成形

フィルムインサート成形は、フィルムを事前に予備成形(熱プレス/真空成形等)し、製品の形状に合わせたフィルムの用意が必要です。一方、インモールド成形は、予備成形無しで対応が可能なため、インモールド成形の方が、工程が短くすみます。

フィルム箔の供給

フィルムインサート成形は、金型へセットする時は、成形オペレーターの手作業(一部機械化)が

主流です。一方、インモールド成形は、機械的に金型内へフィルムを供給する為、連続成形出来ます。

加飾範囲

フィルムインサート成形は、一般的にPLライン(パーティングライン)まで成形することができません。(成形する場合は金型消耗リスクや製品の仕上げが別途必要。)

一方、インモールド成形はPLラインまで加飾が可能です。

加飾膜(シート/フィルム)

 フィルムインサート成形は、一般的にフィルムの厚みが125μ~500μが多いです。

 一方、インモールド成形は、転写箔なので膜厚が薄く、製品表面の凹凸、テクスチャーを

 活かした加飾も可能です。

加飾技術ナビのインモールド成形/フィルムインサート成形事例をご紹介!

続いて、加飾による加飾技術ナビでの製品事例について、3つご紹介致します。

複数デザインを同時加飾 インモールド成形


こちらは、車載内装メーター部品の加飾事例です。

製造工程としては、ABS樹脂にインモールド成形を行っております。

絵柄の形成されたフィルムを金型内に挟み、射出成形時の樹脂の熱により成形と同時に成形品に絵柄(インク)を転写します。型開きによりフィルムが成形品から離れ、フィルム巻き取り装置により次の絵柄がセットされます。インモールド成形が使用できるのは、平坦な形状のもののみとなります。凹凸感の強い部品は、フィルムが形状に追従しない為、しわなどの問題が発生します。凹凸感の強い部品については、フィルムインサート製法が使用されます。

こちらの事例のように、車載内装メーター部品は、インモールド成形で樹脂にインクを転写することで、複数デザインを同時加飾することで製品を安価に製作できます。

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 表面(キャビ側)シートインサート成形


こちらは、車載ヒーターコントロールパネルの事例です。

加工工程としては、金型キャビ側へのシートインサート成形です。

お客様は、コントローラーパネルとしての耐久性を求めらていました。そのため、表面にシートフィルムを掛けています。また、こうした形状でよく発生してしまうウエルド(樹脂と樹脂の接合部跡)の隠し処理も行っています。(ウエルド隠しに使用する代表工法ヒート&クール製法の代替。)

また、ボタンの文字剥がれ対策として、表面のシートフィルムの裏側から印刷していることで、マークが消えてしまうことがない仕様としています。

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 裏面(コア側)シートインサート成形


こちらは車載ヒーターコントロールスイッチの事例です。

加工工程としては、金型コア側へのシートインサート成形です。

お客様は、コントロールとしての耐久性と奥行感を求められていました。この2つのリクエストをクリアする為に、弊社は裏面からのシートインサート成形の加工方法を提案し、受注をいただきました。

また、ボタンの文字剝がれ対策として、ボタンの表面には透明樹脂のシールドを使用しており、表面と直接接触することを防いでいます。

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インモールド成形のことなら加飾技術ナビにお任せください!

今回はインモールド成形についてご紹介いたしました。

近年、インモールド成形は携帯の普及にも大きく貢献をし、携帯の液晶画面には欠かせない技術です。

また、インモールド成形は、リードタイムの削減とコストダウンにも有効な技術でございます。

加飾技術ナビでは、VA・VE提案、工法転換提案など、様々な提案を行っており、また試作から量産までワンストップ対応が可能です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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