こちらの記事では、加飾工法の一種であるスクリーン印刷の特徴と実際の製品事例をご紹介いたします。
スクリーン印刷とは
スクリーン印刷は、ポリエステルなどの合成繊維やステンレスなどの金属繊維を網目状に織った
「スクリーンメッシュ」を用いた版（スクリーンマスク）を使用する印刷方法で、
スクリーンマスクの網目にインクを通過させて、対象物に印刷する『孔版印刷』の一種です。
また、平面だけではなく、円筒形・円錐形や曲面といった様々な形状、
紙・布・プラスチック・金属・ガラスといった様々な物質に対して、
印刷ができるのも大きな特徴です。
その印刷可能な範囲の幅から、『「水」と「空気」以外は印刷ができる』と言われるほど、
対象物を限定せずあらゆる素材に印刷が可能です。
スクリーン印刷の特徴
スクリーン印刷は印刷版の網目(メッシュ)を通して印刷を行うため、
熱転写印刷などよりも膜厚の厚いインクを印刷する事が可能な工法です。
また、CMYK（シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック）の混合では作り出す事の出来ないような
特色のインクを使用することも容易であり、
より見た目にインパクトのある印刷物を作る事が可能となっています。
その他に、ゴールドやシルバーメタリック調の高輝度インクや、コインで削る事の出来る
宝くじのスクラッチのインクなど、特殊用途のインクを使用する事が出来る点も
特徴として挙げられます。
印刷版がかなり大きいサイズまで使用する事が出来るため、
Tシャツやブルーレイディスクのラベル面の印刷にも利用されています。
印刷対象物としては、紙はもちろんですが、樹脂(プラスチック）やガラスなど
様々な素材にも印刷することが可能であり、パッド印刷程ではありませんが、
ある程度の曲面でも最近では印刷する事が出来るようになっています。
スクリーン印刷の工程
前述した印刷対象物を限定しない理由は、スクリーン印刷がスクリーンメッシュから
インキを押し出して印刷するという単純な原理のためです。
使用するスクリーンメッシュの種類や感光材の種類、インクの種類は多岐にわたり、
それらを最適に組み合わせることで、視覚に訴える印刷物(広告、衣類、陶磁器等)から
電子部品などの機能性を重視した印刷物まで対応可能です。
スクリーン印刷の用途
「人類はスクリーン印刷に囲まれて生活をしている」といえるほど、
スクリーン印刷は様々な製品に使用されています。
例えば、鮮やかなデザインが施されているＴシャツなどの衣類はその典型です。
また、陶磁器や看板など、比較的小さいものから、大きなものにまでスクリーン印刷は
採用されています。
また、スクリーン印刷のインクは、様々な粘土のインクを使用する事で
凹凸のある電子回路の基材にも精密な配線を描けるため、射出成形品やプレス部品、
半導体パッケージなどの電子部品にも活用されています。
さらに、スクリーン印刷は熱にも強いため、リヤウィンドウに張り巡らされた熱線、
エンジン内部のピストンの潤滑コーティングといった箇所でも使用されています。
スクリーン印刷の製品事例
車載内装メーター部品
こちらは、車載内装メーター部品で、 PCシートに砥石加工＋スクリーン印刷 をした事例です。
金属への模様加工として使用されていた技法を、樹脂シートに施した上にスクリーン印刷（15工程）で
意匠を追加しています。
アルカリ浄水器 意匠カバー
こちらは、家電メーカー様のアルカリ浄水器の外装カバー部品で、射出成形ののち、
塗装＋シルク印刷（スクリーン印刷）＋メンブレン溶着をした事例です。
一般消費者の手元にそのまま流通する外装部品となるので、非常に高い意匠性が求められ、
傷などは勿論、ウェルド、ヒケ、文字切れ、ガサツキ、色ムラなどに対しても
細心の注意を払っています。
車載ヒーターコントロールユニットボタン
こちらは、車載ヒーターコントロールユニットボタンで、スクリーン印刷と塗装をした事例です。
スクリーン印刷にて、裏面にボタンの文字やマークを作成し、塗装にて、
表側をバックライトで文字意匠部が光る仕様になっています。
スクリーン印刷のことなら加飾技術ナビにお任せください！
今回はスクリーン印刷の特徴と製品事例についてご紹介いたしました。
加飾技術ナビでは、スクリーン印刷に関して、試作から量産までワンストップ対応が可能です。
また、スクリーン印刷以外にも、様々な加飾工法の実績がございます。
スクリーン印刷をはじめ、加飾に関してお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました！